Monday, May 14, 2007

ニューオリンズ

5日間の仕事を終え、ニューオリンズから帰って来たところ。2年前の台風で破壊された地区は荒れたまんまだった。堤防が決壊した場所から1kmの範囲内はほぼ空き地になってた。地元の警察署長によると、ものすごい水圧で家が丸ごと流されて、その家が隣の家を壊して進み、すべて破壊したらしい。決壊直後の水かさは家の屋根を超えており、それに加えて時速70kmの風のため、屋根の上に逃げた人も結局は犠牲になったって。助けを求める人の911通報が風に飛ばされて水に落ちて途絶えたのを聞いたとその署長さんが言ってた。空き地になった地区はもとは家が密集した地域だったらしいけど、コンクリートの土台だけ残して消えてしまった。避難できた人たちも、もう戻ってこないから空き地のまま。家が残った地域でも、人が住んでなくて、地域社会ももう存在しない。ポリドリっていう写真家がそういう残った家の写真を撮って写真集にしたり、メトロポリタン美術館で写真展やってて、それを見てすごくショックをうけたけど、写真にならなかったもっとひどいところが存在してた。上記の警察署長さんがその地域を案内してくれたんだけど、まず見せてくれたのが彼のいとこが溺死した家。その次は土台だけ残して消え去った彼のおばあさんの家。その他友人の家の跡など。その、個人的な被害を私たちに見せてくれること、見せなきゃいけないような衝動を未だ引きずっていること、しかも感情を押さえて公に尽くすことに慣れているはずの警察官の彼が案内してくれたという事実から、この街の傷は癒えてないんだと思った。

一番被害を受けたニューオリンズ市と隣の市にまたがった地域はかつて人口22000だったのがいまは2100。壊れた家を直す手助けをするNPO活動もあるけど、きっと元には戻らないと思った。同じ災害が起こる可能性が依然としてあるし、家も人のつながりもなくなった。電気やガスはもう復旧したみたいだけど、学校もこわれたまんま。社会基盤が無い。1年と8ヶ月経ってもまだこの状況。どうなるんだろう。

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